4 まとめ
保護者の皆様から、全体として、「げんき」・発達相談室とも多くの項目で高い評価を頂くことができました。ペアレントトレーニングなどの家族支援の取り組みについては、前年より高いポイントを得ることができました。一方、保護者同士の連携・情報交換や、避難訓練等の実施に関する設問については、まだまだ対応が不足しているといったご指摘やご意見をいただいております。ご指摘等を踏まえ、事業所の強みや弱みと思われることについて、以下のとおり整理いたしました。今後の業務改善や事業の充実に向けて検討してまいります。
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事業所の強みだと思われること |
工夫していることや意識的に行っている取組等 |
さらに充実を図るための取組等 |
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こども一人ひとりの特性に応じた顔のみえる療育を行っている。 |
- こどもの特性や年齢発達に合わせた様々なプログラムを用意している。
- 療育はモニターを通じての見える化を図り、終了後は「ねらいシート」を使って保護者と振り返りを行っている。
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こどもの社会性・コミュニケーションを高める支援に主眼を置きつつ、学び方療育や作業療法士や言語聴覚士との連携による療育、長期休暇時の余暇支援など幅広い療育が提供できる体制を整備し、手厚い支援を行っていく。
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| 2 |
保護者の希望や了解のもと、こどもが所属する学校や園と連携し、支援の橋渡しの役割を行っている。 |
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こどもが所属する機関との連携を積極的に行い、必要な支援や配慮について共有したり、こどもが生活しやすい環境や多角的に支援できる環境を整えている。
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- 他機関連携に対する保護者の理解を高めるとともに、日ごろからさまざまな機関との連絡調整を行い、信頼関係の構築に努める。
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| 3 |
年間を通して保護者を対象とした学習会や講演会などを開催し、発達特性に関する理解を深めるとともに保護者同士の情報共有の機会を設けている。
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親同士の交流を目的とした『お話し会』、こどもとの関わり方を学ぶ『保護者向け発達支援講座』や『ペアレント・プログラム』などの催しを定期的に開催している。
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年長児の保護者を対象に『就学相談説明会』を開催し、区職員から就学に関する説明を受けたり、就学に向けた悩みを話し合う場を設けている。
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保護者の評価結果をみるとイベントの周知案内が不足していると考えられることから、ホームページや「療育のしおり」、施設内の掲示板等を活用したり、スタッフから直接お声掛けするなど周知方法を工夫する。
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事業所の弱みだと思われること |
事業所として考えている課題の要因等 |
改善に向けて必要な取組や工夫が必要な点等 |
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情報設備のデジタル化が進んでいない。 |
- 情報技術が加速度的に進展する一方で、設備機器は旧式であったり老朽化が進んでおり、また投資も追いついていない。
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老朽した設備備品について計画的に更新するとともに情報のデジタル化について検討していく。一方、従来の紙媒体を用いた情報提供や普及啓発についても効果があることから内容や配布方法等を工夫するなど一層の充実を図る。
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| 2 |
月2回の療育のため、避難訓練などに時間を充てることが難しい。 |
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利用者を交えての訓練は月2回各1時間の療育の枠内で時間をとることが難しいため、これまでは保護者にお声かけをし、ご協力を頂いたグループについて避難訓練を実施してたが、コロナ禍を機に利用者参加型の訓練を休止し職員のみの訓練となっている。
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- 療育プログラムの一つとして災害時対応を位置付けるなど工夫をこらし、こども参加型の訓練を実施する。
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なお、「げんき」内の掲示板でもお知らせしておりますが、「げんき」が入所する『大蔵二丁目複合型子ども支援センター』につきましては、開館から15年が経過し施設設備などに老朽化が進んでいることから、今年の秋に、空調機器や外壁、屋上防水等の大規模な改修工事が実施される予定です。「げんき」を運営しながらの工事となることから、工事期間中は安全確保、騒音退避等のため、建物の一部が順番に使用できなくなります。療育の年間実施回数につきましては令和6年度と同じ回数を予定しておりますが、工事期間中のスケジュール調整をお願いする可能性がございます。利用者の皆様にはご迷惑をおかけすることとなりますがご理解とご協力をお願いいたします。
引き続き、利用者の皆様が楽しく、安心して通うことができるよう、職員一同より良い支援サービスの提供を目指してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【第三者による評価】
令和6年度の報酬改定による中核機能強化事業所加算を取得している事業所については、自己評価の実施にあたり、外部の方(第三者)からの評価を受けることが必要とされました。
令和6年度の自己評価について、こども教育宝仙大学 守巧先生からご意見を頂きましたので、ここに紹介させていただきます。
総評として、アンケート調査の高い回収率から、利用者からの強い期待が感じられた。また、保護者は高い満足度を示しており、循環性のある自己評価への取り組みの充実が見て取れる。今後は、さらに3事業所の強みや色を自覚し、保護者が目的に応じて選べると良いと思われる。
その他、詳細ではあるが、以下にアンケート調査から得られたデータから三点を意見として述べさせて頂く。
第一に、アンケート結果、とりわけ自由記述において、保護者からの要望に対応できる範囲は限られると思われるが、「ご意見を踏まえた対応」欄では丁寧かつ真摯にコメントしている点が評価できる。
第二に、これからの我が国の療育において希求されているペアレントトレーニングであるが、前年度より高いポイントになっていることを鑑みると、内容は発展途上であるものの引き続き効果検証とともに、プログラムの蓄積が求められよう。
第三に、「まとめ」において保護者同士の情報共有の場の増加が指摘されている。実質的な企画・運営は難しいと推察するが、子育てが孤立しがちな社会において「横のつながり」ができるようなセンター機能としての取り組みにも期待したい。
守 巧 (こども教育宝仙大学 教授)
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